こんにちは、スタッフのトモです。
このwebサイトやブログを喜んで下さってい
る方々のお声を頂けて嬉しく思っております。
美術館はこの真っ白なwebサイトとは裏腹に、
相変わらずカオスな状態でして、御来館の皆
様は驚かれると思いますが、それはそれの居
心地の良さというものがありますので、今後
ともよろしくお願いいたします。
さて今回は、今から38年前、1982年の京都新
聞で掲載されていた4枚の絵というシリーズを
ご紹介します。
絵・山本達郎と書かれており、もしかすると
文章は達郎さんでは無いのかもしれませんが、
掲載させて頂きます。
当ブログの方でも4回に分けてアップしていき
ますので、楽しみにご覧ください。
絵・山本達郎「風-1」4枚の絵シリーズ 京都新聞 昭和57年10月29日(金)
「4枚の絵 秋Ⅲ」風-1
真っ白の真っ四角の部屋の中。さらさら落
ちる砂のように、高い円窓から光が降って
います。動いているのは床の影だけ。窓の
外の風景が床いっぱいに映っています。
ゆれる木が、流れる雲が、時おり横ぎる鳥
が、そして飛行機が。毎日一つずつの物語
りを語ってくれます。影はひと色ではありません。朝の光では朝
の色が、昼の光では昼の色が、いいえ、一
瞬(しゅん)一瞬ちがう色。季節が変わる
と色が変わり、風が変わると色が変わり、
心が変わると色が変わる、のでしょう。どこかで時計が鳴っています。足音をたて
ずにネコが通りすぎました。不思議に首の
鈴も鳴らない。「時」がコトンと音をたて
て止まりました。そんな間にみた夢です。
今シリーズは洋画を専門とする山本さんが
担当です。大阪芸大卒業後、独立美術協会
で活やく中。「動物はしゃべらないからか
わいい」と、画面にもたえず登場します。
三十四歳(さい)。(京都市西京区)
この文章を読むと、おそらく山本達郎本人の
文章かと思います。
一瞬一瞬で色がうつろっていく様子をうつろ
げに観ている画家の感性を感じます。
いかがでしたでしょうか。
それでは、また次回。
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