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2020-12-06

絵・山本達郎「風-4」4枚の絵シリーズ 京都新聞 昭和57年11月19日(金)

 

みなさまいかがお過ごしでしょうか。
山本美術館は、2020年12月23日より7日間
愛媛県松山市のいよてつ高島屋にて出張美術
館を行います。
今回は、スカーフやタペストリーなどグッズ
の取り扱いも行う予定ですので、お近くの方
は是非遊びにいらしてください。
詳細は改めてアップ致します。

さて、いよいよ4枚の絵シリーズも最終回と
なりました。
山本達郎は、この時代絵画作品にもよく〝風〟
というタイトルを付けていました。
達郎が書いたであろうこの文章読んで、最後
に同時代に描かれた「風B」という作品を見
てみたいと思います。

 

 

 

絵・山本達郎「風-4」4枚の絵シリーズ 京都新聞 昭和57年11月19日(金)

「4枚の絵 秋Ⅲ」風-3

遺跡(せき)のむこうから、たえず風が吹
いてきます。サラサラと金色の粉が流れ落
ちてくるような風です。

数千年もむかし、真っ白くそびえる塔(と
う)に日はかがやき、どこまでも続く厚い
壁(かべ)はやわらかな影(かげ)を落と
していました。石を彫(ほ)る音、粉をひ
く音、糸をくる音、水あびの気配。人の命
が建物に、街に、国に命を与えていました。
春が過ぎ、夏が過ぎ、秋が過ぎ、冬が過ぎ、
春が過ぎ、夏が過ぎ、秋が過ぎ…。幾百も
の季節が街の上を通り過ぎました。そして
ある秋の一番最後の日、街から人がいなく
なって。街は遺跡になりました。

遺跡に吹く風はいつも、秋の一番最後の風
です。カラカラと軽やかな音をたてて糸車
がまわっています。遠いむかしを思い出し
た風が、きまぐれにまわしていったのでし
ょうか。

 

 

山本達郎「風B」

「風B」
73cm × 91cm 油彩

詳細な年代はわかりかねますが、こちらも
1980年代の作品かと思います。

これにはちょっと裏話があります。
以前、インスタグラムの方では投稿しました
が、山本達郎は基本的にモデルを置いて絵を
描くという事はしませんでした。
しかし、こちらは妻である充子さんがポーズ
を取らされたという珍しい作品です。

 

話は変わりますが、
「熊沢南水さんが京都に来られるから、あん
たも一緒にご飯ど〜え?」と充子さんに誘っ
て頂いたのですが、あいにく用事でご一緒で
きませんでした。うぅ。

お二人で珍しいカラスミ料理など美味しい物
に舌鼓をうって樋口一葉の「十三夜」の深い
お話などもなさったそうですが、誠に失礼な
がらわたくしトモは、熊沢南水さんを存じ上
げなかったので、Googleさんに教えてもらっ
たので紹介させて頂きます。

 

熊沢 南水(くまざわ なんすい)
朗読家。
1941年東京生まれ。
小学6年生のとき青森県西津軽から東京に移
り、そこで津軽なまりを笑われたのが言葉へ
のこだわりの第一歩だった。
40歳のころ、偶然手にした一本のテープ、
朗読家 幸田弘子さんが語る樋口一葉の十三夜
が心に新たな、風を吹き込み、言葉への想い
をつのらせた。以来、俳優 三上左京氏指導の
もと、“南水ひとり語り”を全国各地で繰り広
げている。
浅草の洋食ヨシカミの元女将が語りの世界で
彩る。

◉女優 吉永小百合さんとともに下町人間庶民
文化賞を受賞
◉文化庁芸術祭大衆芸術部門優秀賞を受賞

プランピットwebサイトより

 

来年2021年10月に京都での公演も決まってい
るそうなので、その時にはお会いできたらと
思っています。
南水さんは、本を見ずに朗読されるそうです。
〝ひとり語り〟

では、また次回の記事でお会いしましょう。

 

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