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2020-09-25

個人美術館をはじめる「山本美術館をつくった話」

こんにちは、山本美術館webサイトへようこそ。

山本美術館は、2020年9月に京都市北区の新
大宮商店街の中にオープンした個人美術館です。

日本には多くの個人美術館がございますが、
当館はその中でもっとも小さい美術館かと思
います。

今回は、美術館の運営のお話と山本美術館が
はじまるまでの経緯などお話したいと思いま
すので、個人美術館に興味がおありの方に、
面白く読んで頂ければ幸いです。

 

 

個人美術館をはじめる【資金】

新しく美術館を作るとなると、土地を購入し、
建設工事を経て出来上がる、そんなイメージ
でしょうか。

それには数百万〜数千万円、時には億単位の
資金をかけての工事が必要になります。

もちろん、賃貸物件で内装工事をして頂き極
力コストを抑えて作る事もできますが、当館
資金ゼロで始まりました。

というのも、
持ち家の土間スペースが元々アトリエでした
ので、その壁に絵をかけ、そうめん箱の蓋に
〝山本美術館〟と書いて玄関にかかげました。
片付ける事も無く、オープンした次第です。

可笑しくて笑ってしまいますが、ある出来事
があって、勢いで作ってしまったというのが
本音です。

 

目的は絵を観てもらうこと

私設の美術館や博物館で、維持費用を捻出す
る事ができなくなり閉館してしまうケースを
時々耳にします。

誰かが私財を投じて立派な美術館を作る。ま
たは市や町が資金を投じて作られた話はよく
ありますが、多額の資金をかけて建設すると
入場料を取らなくてはいけなくなりますし、
維持費や管理費もかかってしまうので、私に
は続けるのが難しいです。

もちろん、いつまで山本美術館が続くのか、
続けるのかは分かりませんが、画家タツロウ
の絵をたくさんの方に見て頂ければと存じま
す。

 

 

個人美術館をはじめる【経緯】

山本美術館は、画家 山本達郎の絵画を飾ってお
り、妻である充子が運営しています。

現在、タツロウは入院中で会話も難しい状態に
あり、今後新作を発表する期待は薄いです。

 

美術館をはじめる2〜3ヶ月ほど前、とある知人
からタツロウの絵がYahoo!オークションに出
品されている事を知りました。

よく見ると画集のコピーの様な形で販売されて
おり、身に覚えはございませんでしたので、弁
護士の先生に相談すると法律的には犯罪に当た
らないらしく、裁判を起こしてもおそらく負け
るだろうとの返事を頂きました。

また、ある知人からは「今はコピーの時代だか
ら、訴えてもイタチごっこになるだろう」と言
われ当時は大変ショックでした。

少し大袈裟に聞こえるかもしれませんが、絶望
した気分になりました。

タツロウは入院中にあり、新型コロナウィルス
の影響により病院への面会もできない状況です。

 

そんな鬱蒼とした気分の日々からしばらくして、
タツロウの絵をみんなに観てもらいたいという
想いから勢いが生まれ、〝美術館〟と名付ける
事を閃いてその勢いのまま短期間でオープンさ
せてしまいました。

 

 

個人美術館をはじめる【運営】

山本美術館は商店街にございますので、近所
を通った方がフラッと立ち寄って下さります。

引越し当時はたまたま良い物件だという事で
移り住ませて頂きましたが、今では程よく人
通りもあり、美術館にとって好条件ですので、
運が良かったと思っております。

正直申しまして、散らかったままきちんと片
付ける事も無くオープンしましたので、たま
たま来て下さった方には「ただいま準備中で
す」とお伝えしながら少しづつ整理している
毎日です。

もちろんスタッフを雇う事もなく運営してお
りますので、買い物へ出かけていたりすると
おりませんが、とんぼ玉作家の〈みどり工房〉
のアトリエとしても機能しておりますので、
誰かが応対するかたちで営んでいます。

 

あれこれ考えるとどうしても資金が必要にな
りますので、無理なくできる範囲でやってみる。
やってみると色んな方が来られます。
オープンさせてからのご縁で、webサイトを
立ち上げる事ができました。

 

日々の生活の横で楽しく美術館を営んでおり
ますので、わざわざ来て下さって閉館してい
る場合は申し訳ございません。

遠方から来られる場合は、こちらから御一報
頂けると在館するように致します。

いい加減な営業の美術館ですが、肩肘張らず
に、絵画鑑賞で少しだけ非日常を味わって、
商店街でお買い物でもして帰って頂ければ幸
いです。

 

山本美術館では、みどり工房のとんぼ玉体験もできます。

 

 

個人美術館をはじめる【作品を飾る】

山本美術館では、現在山本達郎の絵画を飾っ
ておりますが、美術館をはじめるまでは物置
きにある使わないモノ同然の存在でした。

大きいものは150号のサイズがあり、はっきり
申しまして過去には粗大ゴミだと感じる事も
ありました。

しかし、美術館を開きタツロウの絵画を引っ
張り出してきて並べ、絵画に囲まれて夜1人で
お酒を飲んでいると、今まで見えてなかった
自分に気づいたり不思議と発見があったりで、
贅沢な時間だと感じるようになりました。

こんな絵があったのかと、初めて見る絵も出
てきます。

 

私は、絵が好きで好きでたまらないといった
絵画好きの人間では無いのですが、私が暗い
と感じていた絵も、周りからは全然そんな事
ないと言われ驚く事があります。
観る人によって受け取り方はそれぞれ違うよ
うです。

 

タツロウは、過去に絵画と共に寄稿した文章
で「…懐かしい風景を構築したかった。」
とよく書いています。
絵画を観た人が、懐かしい何かを感じて頂け
れば喜ぶのではないかと存じます。

インターネットで世界中の絵画が観れるよう
になりましたが、存在する本物の絵を観るの
とでは、感じる事が違うと思うのです。

 

 

作品の販売について

美術館ですので、現在は基本的に絵画の販売
は行っておりません。
画集や複製画などの販売を検討しております。

しかし、美術館の引継ぎや先の運営の事もあり、
作品販売や引き取って下さる方を探す方向も考
えております。

 

 

個人美術館をはじめる【最後に】

なぜかアトリエやミュージアムと名付けたく
なく、〝美術館〟という名称にしました。

前を通る人は「美術館やて」と言って入って
来て下さる方、通り過ぎて行く方がおられます。

美術館という言葉はインパクトがあるようです。

 

お近くにお越しの際は、ぜひ一度タツロウの
絵をご覧になって行ってください。

 

 

山本美術館へのアクセスはこちらから

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